浮浪児・道男が花江ちゃんに言い寄っちゃいましたねー。
優しい花江ちゃんは、「ご飯にしようか」と、さらっとながしたのだけど、子ども達はゆるしておけない。
道男は、そのまま猪爪家を出て行ってしまいました。
こんな時は…。
クッキーでしょう。
花江ちゃんが猪爪家を訪問するとき、猪爪家へのお土産は、このクッキーでした。
また頼安さんが、桂場等一郎とともにお茶をしたとき、お茶のともで食べていたクッキーも苦のクッキーです。
このクッキーは、どこのメーカーのものでしょうか。

【虎に翼】に出てくるクッキーは、泉屋のクッキー
花江ちゃんが猪爪家にお嫁に来るとき、お土産にもってきたクッキー。
久藤頼安(ライアン)が、桂場等一郎と一緒にお茶をしたとき、お茶のともとして食べていたクッキー。
これらは、『泉屋のクッキー』でした。

泉屋のクッキーは、戦後の混乱期から存在します。
さらに、その誕生はなんと、1912年(明治45年/大正元年)、
泉屋の看板での販売は、1927年(昭和2年)からでした。
泉屋のクッキーの歴史
泉屋クッキーは、日本で初めてクッキーを販売したブランドです。
創業者の泉伊助と園子夫妻は、アメリカ人宣教師夫人からクッキー作りを学び、日本人好みに改良した「スペシャルクッキーズ」が評判となり、1927年に泉屋の看板を掲げてクッキーの販売を開始しました。
その後、泉屋クッキーは時代の変化と共に成長し、今では日本全国で愛されるブランドとなっています。
伝統的な手作りの味わいを大切にしながら、幸せの輪を広げている泉屋クッキーは、多くの人々に親しまれています。


【虎に翼】に出てくるクッキーは、なぜ泉屋のクッキーなのか
ズバリ、脚本家が好きなのだと予想します。
私の家でも、泉屋のクッキーをお土産で戴いてきた歴史があります。
子ども時代、これをお土産でもらうと、わくわくしたものです。
脚本家さんも、おそらくそのような幼少年期の経験があるのだと思います。
幸せの象徴だったんです。
泉屋のクッキー。
道男は、おそらく色濃いで花江ちゃんに言い寄ったのではなく、
純粋に「花江の助けになりたい」と思ったのだと思います。
道男と猪爪家の誤解が解け、共にクッキーを食べるシーンが見たいものです。

泉屋クッキーの歴史と魅力
泉屋のクッキーは単なるお菓子を超えた日本の文化的アイコンです。
創業者の泉園子さんは、宣教師夫人からクッキー作りを学び、1912年に「お母さんの作ったクッキー」として「スペシャルクッキーズ」を誕生させました。
その後、1927年に夫の伊助さんとともに京都市上京区の自宅で「泉屋」の看板を掲げ、本格的な販売を開始しました。
シンボルマークに込められた思い
泉屋のシンボルマークである「浮き輪」には深い意味が込められています。
創業者にとって、浮き輪は母が子を守る思いそのものであり、どんな荒波でも沈まない心強いシンボルでした。
また、浮輪は「人の和(輪)」も表し、自分と3人の息子を表す4色の飾りをのせ、どのような困難でも”人の輪”で乗り切っていくという思いが込められています。
敬虔なクリスチャンだった園子さんは、クッキーを焼くことを社会奉仕の一つと考え、浮輪が人命を救うように、クッキーを通して社会の役に立ちたいという理念を持っていました。
時代を超えて愛される理由
泉屋のクッキーが長年愛され続ける理由は、その変わらぬ味と品質へのこだわりにあります。
リングターツに載せるドライフルーツは今でも熟練の職人さんたちが手作業で行い、父の日用の「お父さんクッキー」も一つ一つ手で型抜きするなど、手作りの良さを守るために多くの工程を手作業で行っています。
泉屋クッキーの楽しみ方
泉屋のクッキーは様々な楽しみ方があります。
例えば、サボイフィンガーをバニラアイスクリームと一緒に食べると、はじめは”サクッ”、時間が経つにつれアイスクリームがしみ込み”ジュワ”という食感の変化を楽しめます。
また、ココアフラワーやチョコレートクッキーを砕いてアイスクリームの上にまぶすのもおすすめです。
泉屋の現在と未来
現在、泉屋東京店は4代目社長の泉由紀子さんが率いています。
2018年に先代社長である父・邦夫氏の急逝により突然社長職を引き継ぎました。
由紀子さんは創業者の思いを大切にしながらも、時代に合わせた変化も取り入れています。
「創業者がボランティアの気持ちが強い方だったので、先代の頃までは価格改定をしなかったり、昔ながらの泉屋らしい”浮き輪と紺白”にこだわっていました。ただやはり、企業として続けていくためには時代に合わせていくことも必要」と語っています。
社会貢献への取り組み
創業者の「社会奉仕」の精神は現在も受け継がれています。
泉屋東京店では「盲導犬アート缶」を販売し、売り上げの一部を盲導犬総合支援センターを通じて、補助犬育成や障がい者の社会参加の支援活動に役立てています。
「クッキーを通して何か貢献したい」という思いから生まれたこの取り組みは、多くの人に盲導犬のことを知ってもらう機会にもなっています。
泉屋クッキーと日本の思い出
多くの日本人にとって、泉屋のクッキーは特別な思い出と結びついています。
「祖父母が来るときにお土産にもってきてくれる。大きな缶のふたを開け、5歳上の兄ととりあって食べたものです」という思い出を持つ人もいます。
このように、泉屋のクッキーは単なるお菓子ではなく、家族の絆や特別な日の記憶と結びついた、日本の文化的な象徴となっています。
【虎に翼】と泉屋クッキーの関係性
ドラマ【虎に翼】で泉屋のクッキーが登場するのは、その時代背景と深く関係しています。
泉屋は1937年に東京都港区赤坂に移転し、戦後の混乱期を乗り越えて日本人に愛され続けました。
ドラマの時代設定と泉屋の歴史が重なることで、より時代の雰囲気を authentically 表現できているのでしょう。
花江ちゃんが猪爪家へのお土産として選んだ泉屋のクッキーは、当時としては上品で特別なものであり、彼女の思いやりと教養の高さを表現しています。
また、頼安さんと桂場等一郎がお茶と共に楽しんだクッキーは、二人の関係性や会話の場の雰囲気を象徴しているのかもしれません。
泉屋クッキーに込められたメッセージ
ドラマの中で泉屋のクッキーが登場することには、より深い意味があるかもしれません。
泉屋のシンボルである浮き輪が表す「どんな困難でも人の輪で乗り切る」という思いは、ドラマのテーマとも重なります。
道男と猪爪家の間の誤解や対立も、最終的には人と人とのつながりによって解決されることを暗示していたのかもしれません。
クッキーを通じて人々が結びつき、理解し合う様子は、泉屋の創業理念とも一致します。
道男が純粋に「花江の助けになりたい」と思ったように、泉屋も「クッキーを通して社会の役に立ちたい」という思いで始まったのです。
日本の食文化における泉屋クッキーの位置づけ
泉屋は「クッキーと言えば泉屋」「泉屋と言えばクッキー」と呼ばれるほど、日本のクッキー文化の礎を築きました。
西洋から伝わったクッキーを日本人の味覚に合わせて改良し、日本の食文化に根付かせた功績は大きいでしょう。
ドラマの中で泉屋のクッキーが登場することは、日本の食文化の歴史を反映するとともに、登場人物たちの生活の豊かさや時代の雰囲気を表現する重要な要素となっています。
結びつきと和解の象徴として
最後に、ブログ本文で述べられているように「道男と猪爪家の誤解が解け、共にクッキーを食べるシーン」が実現すれば、それは単なる和解の場面以上の意味を持つでしょう。
泉屋のクッキーが象徴する「人の輪」「つながり」「思いやり」といった価値観が、登場人物たちの関係性の変化と共に表現されることになります。
クッキーを囲んで共に時を過ごすことは、新たな絆の始まりを意味し、泉屋の創業者が込めた「クッキーを通して幸せの輪をひろげたい」という願いそのものを体現することになるのです。

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