思想史– category –
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法然とはどんな人?|9歳で父を失った僧侶が日本を変えた物語
『復讐を捨てた9歳の少年が、800年後の私たちをも救い続けている。』 法然(1133-1212年)って、本当に不思議な人だったと思うんです。 普通なら父を殺された恨みで心が歪んでしまいそうなのに、法然はまったく逆の道を歩んだ。 そんな法然が生み出した「... -
【津田左右吉】の神道の語義六分類とは何か?|宗教観の歴史的変遷
あなたが知る「神道」は、実は明治時代の創作かもしれない。 神社参拝や初詣、七五三などの習慣を「神道的な行事」と何気なく思っている方も多いでしょう。 しかし「神道」という言葉自体が、時代によって全く異なる意味を持っていたことをご存知でしょう... -
両部神道とは何か?|伊勢神道との違いから学ぶ日本の宗教観
「伊勢神宮の神々は仏の化身か、それとも本来の神か」 日本の宗教史において、神と仏の関係をどう捉えるかは常に重要な問いでした。 両部神道は「神は仏の仮の姿」と説き、 伊勢神道はその逆に「神こそが本来の存在」と主張します。 この対立する二つの神... -
伊勢神道とは何か?|度会氏が創始した神道思想の歴史と特徴
八百万の神々は、実は仏の化身だった? 私たちが「日本固有の宗教」と考えがちな神道は、実はその形成過程で仏教と深く結びついていました。 神社の境内に寺院が併設され、 神々が仏の「垂迹(すいじゃく)」として崇められる時代が千年以上続いていたので... -
【書評】「神道とは何か 神と仏の日本史 」神道の本質に迫る歴史的探求
「神道とは何か」――この問いかけは一見シンプルでありながら、実は極めて複雑な歴史と思想の探求へと私たちを導く。 伊藤聡氏による『神道とは何か 神と仏の日本史 増補版』(中公新書)は、 この問いに正面から向き合い、日本における「神道」の歴史的形... -
【書評】小野篁:知られざる魅力と歴史|平安時代の天才詩人の足跡
小野篁の概要と歴史的重要性 平安時代初期から前期にかけて活躍した小野篁(おののたかむら)は、延暦21年(802年)に生まれ、仁寿2年(852年)に51歳でその生涯を閉じた漢学者・詩人・官僚です。 彼は嵯峨天皇から仁明天皇、文徳天皇に至る六代の天皇に仕... -
【書評】:「栄西 日本人のこころの言葉」を読む:日本仏教の伝統と革新
日本仏教の歴史において、鎌倉時代に活躍した栄西(1141-1215)は伝統を受け継ぎながら新しい風を吹き込んだ重要な宗教者である。 臨済宗の祖として知られる栄西は、禅の普及、厳格な戒律の重視、茶の効能の紹介など多方面にわたる活動を通じて、日本の宗... -
【書評と考察】「吉田松陰と松下村塾のすべて」 幕末維新の真髄を読む
読み応えのある本でした。 そして、表題にあるように吉田松陰について、複数の専門家が詳細に調べこんだ内容に満足感を持ちました。 その反面、知識をある程度持っている人には良書だが、入門書としては手ごわいかもしれないとも感じました。 まず、この本... -
書評:神野志隆光『「日本」とは何か』―国号が映す歴史的アイデンティティの変遷
国号「日本」の不思議とその核心 「日本」という国号は、古代から現代まで使い続けられてきたのに、なぜ「日本の意味は?」と聞かれると誰も明確に答えられないのか。 学校でも教えられず、明治維新で近代国家が形作られる際ですら、その意義を深く問われ... -
「え!?」草薙剣とは別の剣を三種の神器としたって本当
「昼御座(ひのおまし)の剣」を宝剣の代用、寿永2年(1183年)に伊勢神宮の祭主大中臣親俊(おおなかとみのちかとし)が後白河に贈った剣を宝剣としたのでした。この剣は「神宮御剣」