『べらぼう』第5話の見どころとは?
大河ドラマ『べらぼう』第5話は、物語が大きく動く重要な回です。
唐丸の突然の失踪、蔦屋重三郎(蔦重)の葛藤、そして平賀源内と田沼意次の対話が描かれます。
これらのエピソードを通じて、「夢と現実」「過去との決別」「未来への先見性」というテーマが深く掘り下げられていました。
特に注目すべきは、唐丸が浪人との因縁で姿を消す展開です。
また、蔦重が自分をだました本屋で修業する決断をする場面も印象的です。
そして、平賀源内と田沼意次の先駆的な思想が語られるシーンは、現代にも通じる深いテーマを感じさせました。
これら3つの軸に沿って、第5話の感想を語ります。
唐丸はなぜ消えたのか?
唐丸と浪人の関係とは?
第5話では、唐丸と浪人との因縁が物語の中心となります。
浪人は唐丸の過去を知る人物であり、その秘密をネタに金銭を要求し続けていました。
唐丸はその脅迫に苦しみながらも対処せざるを得ず、追い詰められていきます。
物語では、唐丸と浪人が橋の上で激しい口論になります。
その中で浪人は「お前が何者か、世間に知られたくなければ金を持ってこい」と叫びます。
この言葉からも、唐丸が抱える「過去」が単なる奉公人としてのものではなく、もっと大きな秘密があることが示唆されました。
最終的に二人は橋から川へ転落。
浪人は水死体として発見されますが、唐丸は行方不明となります。
この衝撃的な展開により、「唐丸は死んだのか、それともどこかで生きているのか?」という謎が視聴者に残されました。
唐丸は、もしかして
盗賊の片棒を担がされていた過去があるのでは?
唐丸は、第1話で描かれた
「明和の大火」の原因と、何か関係があったのかも。
唐丸=東洲斎写楽説、その根拠は?
視聴者やファンの間では、「唐丸=東洲斎写楽説」が有力視されています。
東洲斎写楽は江戸時代後期に突如現れた浮世絵師で、その出自や生涯には謎が多い人物です。
ドラマ内で描かれる唐丸の天才的な画才や出自不明な背景は、この説を裏付ける要素となっています。
例えば、第4話では湖龍斎風(演・鉄拳)の絵を模倣する場面がありました。
その際、唐丸はまるで本物そっくりに描き上げる技術を披露し、その才能を証明しました。
この描写からも、彼が後に写楽として再登場する可能性が示唆されているのだと予想します。
また、史実の写楽自身もわずか10か月という短期間で活動し、その後忽然と姿を消してしまいます。
この謎めいた生涯と唐丸の今回の失踪がリンクしている点も興味深いです。
写楽が10か月で姿を消した理由とは?
史実の東洲斎写楽が短期間で活動を終えた理由についてはいくつかの説があります。
- 作風への批判
写楽の大胆なデフォルメ表現は当時賛否両論でした。「役者絵」と呼ばれる浮世絵では役者を美化することが一般的でしたが、写楽はその個性や欠点まで強調しました。この作風が一部から批判され、不人気につながった可能性があります。
◇ - 身分問題
写楽=蜂須賀家お抱え能役者・斎藤十郎兵衛という説があります。この場合、武士身分である彼が浮世絵師として活動すること自体が問題視され、そのため活動停止を余儀なくされた可能性があります。
◇ - 計画的引退
短期間で話題性を作り出し、その後意図的に姿を消したという推測もあります。これは版元側(蔦屋重三郎など)による戦略だったとも考えられています。
これらの要素から、第5話で描かれる唐丸の失踪には「写楽として再登場する伏線」が込められている可能性を感じませんか。
唐丸は武士身分だった。本来は絵師になれない。
そこで蔦重は、唐丸の身分を隠し、
10か月という短期間だけ絵師として活躍させる計画を練った。
その計画が大成功した‥。めでたし!!!
こういう筋立てなのでは‥。
蔦重は史実でも修業時代を送ったのか?
ドラマで描かれる蔦重の修業時代
第5話では、蔦屋重三郎(蔦重)が自分をだました本屋・鱗形屋孫兵衛(演・片岡愛之助)の元で修業する決断をします。
この選択には彼自身の成長や夢への挑戦という意味合いが込められています。
蔦重は本屋として独立するため「株」を買おうとします。
しかし地本問屋には株制度自体がないことを知り、大きな挫折感に襲われます。
その中で須原屋から「どこかで修業することが近道」と助言され、自分を裏切った本屋・鱗形屋で働く決意を固めます。
このエピソードはドラマ独自の脚色ですが、彼自身の成長物語として非常に象徴的です。
史実との違いは?
史実では、蔦重が特定の版元で修業した記録はありません。
彼は貸本屋からスタートし、自力で出版界へ進出しました。
そのため、「修業時代」という設定はドラマ独自ですが、「実践型」で経験を積んだ彼の努力と挑戦心には共通点があります。
平賀源内と田沼意次はどんな関係だったのか?
ドラマで描かれる二人の対話
第5話では、平賀源内が田沼意次に500両(現在価値約5000万円)の融資を頼む場面があります。
この際、二人は「商業重視」や「開国」の重要性について語り合います。
平賀源内:「四方八方国を開いちまいたい!」
田沼意次:「だが軍備もない我々には、それはまだ早い……」
この対話から二人が時代に先駆けた思想家だったことが伝わります。
商業や技術革新による国益追求というテーマは現代にも通じるものがあります。
史実で二人はどんな関係だった?
史実でも平賀源内と田沼意次には深い関係がありました。
田沼政権下で源内は長崎遊学や鉱山開発などに携わりました。
また輸入品国産化や物産会開催など、二人とも殖産興業政策に尽力したのは史実です。
第5話全体から見えるテーマとは?
『べらぼう』第5話では、「夢と現実」「過去との決別」「未来への先見性」というテーマが描かれています。
それぞれ異なる立場ながらも、自分たちの信念や目標に向かって行動している姿勢が印象的です。
特に平賀源内と田沼意次による「商業重視政策」の描写には、多くの示唆があります。
それぞれキャラクターごとの背景を見ることで、多くの視聴者にも共感できる内容となっています。
田沼意次というと、「賄賂政治」「悪役」
というイメージで語られるけど、
実際は、先駆的な思想を持った「重商主義者」だったのかも。
時代を先取りしすぎていたか‥。
まとめ
『べらぼう』第5話は、唐丸の失踪や蔦重の葛藤、平賀源内と田沼意次の対話が絡み合い、視聴者に多くの衝撃と考察を与えた回でした。
ネット上では、「唐丸=東洲斎写楽説」に注目が集まり、「彼が再登場する伏線ではないか」と期待する声が多く見られました。
一方で、「唐丸が完全に退場するのでは?」という不安もあり、彼の運命について議論が盛り上がっています。
また、蔦重が自分をだました本屋で修業する決断については、「夢を追うために現実を受け入れる姿勢が感動的」と評価されています。
さらに、平賀源内と田沼意次の「商業重視」や「開国」の思想には、「現代にも通じるテーマ」と共感する意見も多く見られました。
全体として、第5話は物語の転換点となる重要な回であり、それぞれのキャラクターの葛藤や成長が丁寧に描かれていた回だったのではないでしょうか。
視聴者からも「次回以降の展開が楽しみ」といった声が多く、第6話への期待が高まる内容でした。