こんにちは、なおじです。
朝ドラ『ばけばけ』で円井わんさんが演じる**野津サワ(おサワ)**のモデルは実在するのか、元教師が史実を徹底検証しました。
トキの幼なじみで教師を目指すサワの実在性について、明治時代の教育環境と照らし合わせながら解説します。

【この記事でわかること】
- 野津サワは創作キャラクターなのか?
- サワのモデルとなった2人の女性教師(山脇房子・渡部トミ)
- 明治時代の女性教師の実情
- ドラマが描く「新しい女性像」の意味
- 史実とドラマの違いポイント
野津サワ(おサワ)はどんな人物?

ドラマでの役割と人物像
野津サワは、松野トキ(小泉節子)の幼なじみとして登場する人物です。
元下級武士の娘で、貧しい家に生まれたサワ。
安定した生活を手に入れるため教師を志し、勉強に励んでいるんです。
トキのことをありのまま受け入れてくれる、唯一無二の親友として描かれているんですよね。
ドラマではトキが養家の松野家で窮屈な思いをしているとき、サワは自由な雰囲気で夢を語る存在。
明治時代の女性が教師を目指すというのは、当時としては非常に先進的でした。
なおじが教壇に立っていた頃も、「夢を持つ友人の存在が人生を変える」という話を生徒たちによくしたものです。
円井わんが演じる野津サワの魅力
円井わんさんは、明るく前向きな雰囲気でサワを演じています。
制作統括の橋爪國臣チーフ・プロデューサーも、円井さんの好演を高く評価しているんですって。
トキとの掛け合いが見どころで、視聴者にも人気のキャラクターなんですよね。
第80話では、トキが訪ねてきたのに居留守を使うシーンが描かれました。
友情にひびが入る切ない展開に、視聴者から「サワの気持ちもわかる」という声が上がったんです。
👉関連記事:ばけばけ第88話 おトキとサワの友情
野津サワの実在モデルは存在するのか?

結論:複数の女性を組み合わせた創作キャラクター
史実を調べた結果、野津サワは特定の実在人物がそのままモデルになっているわけではないことが判明しました。
でも完全なフィクションでもないんです。
明治期の松江に実在した二人の女性、山脇房子と渡部トミの人生や要素を組み合わせて生まれた人物だと考えられるんですよ。
なおじが教員時代、歴史の授業で「記録に残らない人々」について教えたことがあります。
特に明治時代までの女性は、男性ほど詳細な記録が残っていないケースが多いんです。
逆を言うと、サワのような人物が実在した可能性は十分にあるんですよね。
モデル候補①:山脇房子

サワの人物像に強く影響を与えていると考えられるのが、松江出身の教育者である山脇房子です。
房子は1867年(慶応3年)、松江藩士小倉忠の長女として生まれました。
1883年(明治16年)松江女子師範学校を卒業後、小学校教員免許を取得したんです。
若くして英語や西洋文化を学び、のちに上京して経済学や文学にも触れるなど、当時としては非常に先進的な学びの道を歩んだんですよ。
その後、山脇玄と結婚し、1903年(明治36年)に夫が設立した女子実脩学校の初代校長となります。
1908年(明治41年)には山脇高等女学校に発展させ、女子教育の発展や女性の地位向上に努めたんです。
日本で初めてワンピース型制服を導入するなど、良妻賢母の枠に収まらない女子教育を推進し、多くの女性の生き方に影響を与えました。
士族の娘であること、師範学校を経て教師を志すこと、学びによって自立しようとする姿勢。
これらはサワの設定と重なるんです。
👉関連記事:小泉セツの生涯と前田為二
モデル候補②:渡部トミ

もう一人の参考人物が、渡部トミです。
渡部トミは1888年(明治21年)、松江の雑賀小学校で教壇に立った、同校初の女性教師として知られています。
小泉セツと同世代で、「女性が教壇に立つ」こと自体がとても珍しく、先進的だった時代。
家柄や男性に負けない教養など、選ばれし者しかなれない職業だったんですよ。
サワが家計を支えるために教師を目指す姿とも重なります。
その後、教育者である本庄太一郎と結婚しており、この点はドラマに登場する庄田多吉の人物設定と重なるんです。
地元松江で女性教師として働いた経歴と、教育に携わる男性との結婚という要素。
これらはサワの地に足のついた生き方を形づくる基盤になっていると考えられるんですよね。
👉関連記事:ばけばけ第83話 サワと庄田のデート
なぜ実在モデルが不明なのか?元教師が考察

明治時代の女性教師事情
明治時代、女性が教師になるには師範学校への進学が必要でした。
でも、松江周辺で女子師範学校が設立されたのは1880年代後半。
節子が結婚した1889年頃は、まだ女性教師が非常に珍しい時代だったんです。
なおじが社会科で教えていたとき、生徒に「今、君たちが当たり前と思っていることが、昔は夢だった」と話していました。
女性教師もその一例なんですよね。
山脇房子や渡部トミのような先駆的な女性たちが道を切り開いたからこそ、現代の女性教師が存在するんですね。
フィクションだから描けた普遍的テーマ

実在人物をそのまま描く場合、史実に縛られて物語の自由度は下がります。
サワを創作キャラクターとしたことで、こんなテーマを柔軟に描くことが可能になったんだと思います。
女性が自立を目指す苦悩。
友情と競争心が同居する関係。
結婚と仕事の間で揺れる選択。
明治女性が直面した普遍的なテーマを、視聴者に届けることができたんですよね。
NHK朝ドラは史実をベースにしながらも、ドラマとしての面白さを追求します。
サワのようなキャラクターは、物語を動かす重要な創作要素になっていると思いませんか。
👉関連記事:ばけばけ第84話 トキとサワの再会
野津サワが象徴するもの

明治の新しい女性像
野津サワというキャラクターは、明治時代の新しい女性像を象徴していると思うんです。
伝統的な家制度に縛られながらも、自分の夢を持ち続ける女性たち。
サワは、そうした時代の空気を体現する存在なんですよね。
制作統括の橋爪國臣氏は、サワについて「これまでの朝ドラで多く見られたヒロインの造形に近い」と語っています。
誰かに守られる立場ではなく、自分の足で立つために挑戦し続ける姿。
それは慣れ親しんだ朝ドラヒロイン像にしっくりくるんですね。
史実を重ねて生まれた象徴
サワという人物は、山脇房子の先進的な教育理念と自立志向、渡部トミの松江に根ざした女性教師としての実像を融合させた存在です。
特定の誰かではなく、当時を生きた多くの女性たちの人生を背負った存在なんですよ。
なおじが教師時代、「歴史上の人物は記録に残るけど、その周りにいた名もなき人々が時代を支えていた」と教えていました。
サワはまさに、そうした時代を生きた女性たちの代表として描かれているんでしょうね。
👉関連記事:ばけばけ第93話 トキとサワの熊本
Q&A|野津サワモデルに関する疑問
Q1:野津サワの実在モデルは誰?
A:特定の一人ではなく、山脇房子と渡部トミという二人の女性を組み合わせた創作キャラクターみたいです。
どちらも明治期の松江で教師を目指した実在の女性なんですよ。
Q2:山脇房子ってどんな人?
A:1883年(明治16年)松江女子師範学校を卒業後、小学校教員免許を取得した教育者なんです。
のちに上京して女子教育の現場で指導的な立場を担い、日本初のワンピース型制服を導入したんですって。
すごいですよね。
Q3:渡部トミはどんな活動をした?
A:1888年(明治21年)松江の雑賀小学校で教壇に立った、同校初の女性教師なんです。
教育者の本庄太一郎と結婚し、地元松江で女性教師として活躍したそうですよ。
Q4:なぜサワのような人物を登場させた?
A:女性が自立を目指す苦悩や、友情と競争心が同居する関係など、明治女性が直面した普遍的なテーマを描くためじゃないかな。
実在人物では史実に縛られるため、創作キャラクターにしたんでしょうね。
Q5:サワとトキの友情は史実?
A:友情のエピソード自体は創作ですが、当時の女性たちの絆を象徴しているように感じるんです。
第88話のように、困難なときに支え合う友人の存在は、明治も令和も変わらない普遍的なテーマですよね。
Q6:円井わんさんはどんな女優?
A:「ばけばけ」サワ役で注目を集めている女優さんです。
実はヒロイン選考の次点だったそうで、制作統括も全幅の信頼を寄せているんですって。
Q7:他の登場人物のモデルは?
A:主要人物11名は実在モデルが確定しているんですよ。
小泉節子、小泉八雲、西田千太郎、前田為二などです。
詳しくは関連記事をご覧くださいね。
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【筆者プロフィール】
なおじ|元社会科教師35年、校長11年。現在は8つのブログでドラマ・芸能・政治・歴史・スポーツ・旅・学び・書評を書いています。
朝ドラ『ばけばけ』の史実検証が得意分野。
教え子からは「歴史が面白くなる先生」と呼ばれていました。
