こんにちは、なおじです。
「冬が来たらおばさまは死んでしまう」
ばけばけ第35話で、トキが三之丞に告げたこの一言。あなたは聞きましたか?
今朝の放送を見て、私は思わず息を呑みました。いや、正直に言います。泣きました。
番組の途中で、妻が「20円て今のいくらぐらい」と話しかけてきたんです。
ところが私は、答えられない。なぜならその時、泣いていたから。
「あれあなた、泣いてるの」と妻…。
「うう、話しかけないで」
教師として35年間、若者たちの葛藤を見てきた私ですが、今回ほど「覚悟」という言葉の重さを感じたことはありませんでした。

このブログを読んでわかること
- 第35話で明かされたトキの秘密と家族の反応
- 板垣李光人が演じる三之丞の心境の変化
- 9円をめぐる母子の絆と成長の物語
- 元教師が読み解く人間関係の深層
それでは、朝ドラ「ばけばけ 第35話」の見どころを、なおじなりに深掘りしていきますね。
【第34話を振り返りたい方は、こちらもどうぞ。】

ばけばけ第35話のあらすじ|秘密が明るみに
ばけばけ第35話は、衝撃的な展開から始まりました。
前日、破れ寺で横たわるタエ(北川景子)の姿を目撃した司之介(岡部たかし)、フミ(池脇千鶴)、勘右衛門(小日向文世)。翌朝、3人はトキ(髙石あかり)を問い詰めます。
観念したトキは、これまで見聞きしたタエと三之丞の身の上をすべて打ち明けました。
没落した雨清水家の現状、そして物乞いとなったタエの姿。
トキがタエ様の物乞い姿を目撃した衝撃の場面は、こちらで詳しく書いています。
→ ばけばけ第28話|タエ様の物乞い姿とトキの決断
するとそこへ、板垣李光人演じる三之丞が松野家を訪れます。
手元には9円。
トキが女中として働いて得た給金の半分です。
トキが女中になる決断をした経緯については、こちらで詳しく書いています。
→ ばけばけ第30話|トキ決断の時と女中への道
→ ばけばけ第31話|トキ、悲壮の決意で女中へ!?
板垣李光人演じる三之丞の心情|薄っぺらい覚悟
三之丞がトキに金を返そうとする場面。
その心情は、よくわかるんですよね。
「自分の力でおばさまを救いたい」
若者としてのプライド、自立心。
これは尊い気持ちです。
トキの金を使うわけにはいかないと考えたことは、ちょっとした救いでもあります。
しかし、その覚悟はまだ薄っぺらかった。
トキは現実を突きつけます。
「冬が来たらおばさまは死んでしまう」
女は強し、ですよ。
悪い奴ではないけれど、三之丞はやはりおぼっちゃま。
元名家の息子として育った彼には、本当の困窮、本当の切迫感がまだ理解できていないんです。
私も教師時代、こうした若者を何人も見てきました。
良い環境で育った子どもほど、現実の厳しさに直面したときに戸惑うものなんですよね。
三之丞の現実とのギャップは、第29話でも描かれていましたね。
→ ばけばけ第29話|三之丞の「社長に」発言と松野家の心配
9円をめぐる母子の物語|フミの啖呵が光る
トキに対し、育ての母であるフミが恨み言をいいます。
(やっぱり、育ての親より生みの親が上!)
対してトキ…、
「わたしが女中の仕事を引き受けたのは、松野家の借金のためだけじゃない。破れ寺で見たおばさまの姿が忘れられなかったから」
フミは、さらに厳しく問い詰めます。
「生みの親のためなら、からだを売ってもいいというのかい?」
一度は嫉妬がまさるフミ…、
それでも、「いま必要なのは意地じゃない。命だよ」と、
トキを応援するフミの啖呵!
流石です!
家族思いのトキの心情を理解しながらも、生みの親タエへの複雑な感情、育ての親としての嫉妬心も燃やしている。
それでも、トキを思う気持ちが勝り、フミは三之丞に現実を突きつける。
母親の強さと愛情の深さを感じる場面でした。
トキの覚悟と勘右衛門の木刀|言葉にしない承認
ばけばけ第35話でもう一つ印象的だったのが、勘右衛門おじい様の行動です。
やっぱりピントはずれているようで、トキに木刀を差し出すんですよね。
でもこれ、わかりますか?
女中になることを認めたという意思表示なんです。
口には出さないけれど、態度で示したわけです。
教師として長年生徒たちと接してきた経験から言えば、言葉にできない思いを行動で示すことの重さを感じます。
特に男性は、感情を言葉にすることが苦手な人が多いんですよ。
勘右衛門の木刀は、「お前の覚悟を認める。身を守れ」というメッセージだったんでしょうね。
トキは必死に説得します。
「もしおばさまを救いたいなら、自分を捨てて、このお金を受け取って」
ついに三之丞は9円を受け取る決断をしました。
この場面で、私はまた涙が止まらなくなってしまったんです。
三之丞の今後の展開予想|来たる雪解けとは

ばけばけ第35話は、三之丞が大きく成長する転機となったのではないでしょうか。
板垣李光人さん自身が語っているように、「咄嗟に母を守る」気持ちと、自分の無力さとの葛藤が三之丞の心をぐちゃぐちゃにしています。
しかし、この9円を受け取る決断が、彼の「おぼっちゃま」からの脱皮の第一歩となるはずです。
「来たる雪解け」という言葉が意味するものは、タエと三之丞の関係だけでなく、三之丞自身の心の氷が解けていくことでもあるんでしょう。
来週からはよい方に展開していくのではないかと、期待しています。
トキは松野家と雨清水家の両方を支える道を選びました。
女中という仕事の線引きは守りながらも、誰かの飢えや寒さを見捨てない。
これこそが「人としての矜持」ですよね。
明治という時代の重さ、貧富の差、そして家族の愛情。ばけばけ第35話は、これらすべてが凝縮された、静かなクライマックスだったと感じます。
まとめ|ばけばけ第35話Q&A
最後に、よくある質問をまとめておきますね。
Q1:ばけばけ第35話で三之丞が返そうとした9円とは?
A:トキがヘブンの女中として働いて得た給金の半分です。トキは松野家の借金返済だけでなく、破れ寺で見たタエの姿が忘れられず、三之丞に渡していました。
ヘブン先生の人柄については、こちらの記事もご覧ください。
→ ばけばけ第25話|ヘブンの震える手が語った真実
→ ばけばけ第33話|ヘブンの紳士性とトキの嘘が綻び始める緊張の夜
Q2:板垣李光人が演じる三之丞の心境は?
A:「自分の力でおばさまを救いたい」という若者らしいプライドと、現実の厳しさとの葛藤です。最終的に9円を受け取る決断をしたことで、「おぼっちゃま」から成長する第一歩を踏み出しました。
Q3:フミが三之丞に言った「いま必要なのは意地じゃない。命だよ」の意味は?
A:若者の意地やプライドよりも、目の前で困窮している人の命を救うことが優先だという、母親としての厳しくも優しい教えです。
Q4:勘右衛門がトキに木刀を渡した意味は?
A:口には出さないけれど、トキが女中になることを認め、「身を守れ」というメッセージを態度で示したものです。
Q5:ばけばけ第35話のテーマは何?
A:家族の絆、人としての矜持、そして若者の成長です。明治という時代の貧富の差の中で、人間の優しさと強さが描かれた回でした。
今朝のばけばけ第35話、あなたはどう感じましたか?
トキの覚悟、三之丞の決断、そしてフミの愛情。それぞれの人間ドラマが、心に染みる回でしたね。
私のように朝から泣いた方も、きっと多いんじゃないでしょうか。
来週からの展開も楽しみです。また一緒に見ていきましょう。
それでは、また次のブログでお会いしましょう。
苦縁(くえん・九円)にて 意地を捨てたる 母子(おやこ)かな
なおじ
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