こんにちは、なおじです。
35年間進路指導してきた元教師なのに、自分の恋愛相談はからっきしダメだった私。
でも、今朝のばけばけ第62話の銀次郎を見て、「男はこうあるべきだった」と反省しました。
「おトキとやり直すためにお願いにきた」
復縁宣言を堂々とする姿。
月給200円という圧倒的な説得力。
一方で、ヘブン先生の後ろ姿を見つめるトキの揺れる心。
イライザ来日という新展開も加わり、この三角関係、どう決着するのでしょうか。

この記事でわかること
- 銀次郎が松野家で復縁を申し出た経緯と勘右衛門じいさまの木刀エピソード
- 月給200円の当時の価値と、銀次郎の経済力が復縁条件として十分かどうか
- 司之介が指摘した「籍を抜いていない」問題と壬申戸籍制度の実態
- ヘブン先生とトキの関係が深まる中で描かれた「ツレアイ」告白シーンの意味
- イライザ来日は史実なのか創作なのか、ラフカディオ・ハーンの実像との比較
- 銀次郎・トキ・ヘブン先生の三角関係が今後どう決着するかの元教師視点の予想
銀次郎が松江に帰還、復縁を申し出る
トキの実家に現れた銀次郎
銀次郎さん、来ましたねー。
しかも、すごくいい服装で登場です。
トキの家の前で、サワとばったり遭遇。
そこへフミが出てくる。
銀次郎は深々と頭を下げました。
この一連の流れ、まるで「覚悟完了」を示すような演出。
教師時代、こういう「本気の生徒」を何人も見てきたなー。
勘右衛門じいさまの木刀と冗談半分の試練
松野家の家族の前で正座をする銀次郎。
銀次郎さん、やっぱりいい人なんですよね。
あんぱんのぶの最初の夫(若松次郎(演:中島歩)にも重なる誠実さを感じました。
勘右衛門じいさまが木刀を構えて銀次郎に近づく場面。
思わず「あっ!」と声が出ました。木刀で叩かれるのか!
ところが勘右衛門さん、「もう忘れた、また稽古しよう」と。
安堵したのも束の間、銀次郎が「稽古は、もう…」と言ったとたん、切りかかろうとする勘右衛門。
「冗談じゃ、冗談」と言いながらも、ちょっと本気だったかも。
教師時代、こういう「半分冗談、半分本気」の保護者の反応、これもよく見ました。
銀次郎の復縁宣言「おトキとやり直したい」
勘右衛門じいさんが突然本題に。
「銀次郎、何しに来た」
銀次郎ははっきりと答えました。
「おトキと、やり直すためにお願いにきた」
おサワでなくとも、お口あんぐり。
この直球さ、男として潔いですね。
銀次郎の復縁条件-月給200円の重み

月給200円は現代価値でいくら?
銀次郎は会社を興し、月200円を稼ぐようになったとのこと。
おトキの給料が20円。
その10倍です。
現代の貨幣価値に換算したらいくらでしょうか?
ざっくりですが、物価上昇率を考えると、月給400万〜700万円くらいのイメージですかね。
当時の月給200円は、かなりの高額所得者です。
【表:明治20年代後半の職業別月給比較】
| 職業 | 月給(円) | 銀次郎との比較 |
|---|---|---|
| 小学校教員 | 8〜12円 | 約20分の1 |
| 巡査 | 約9円 | 約22分の1 |
| 職人 | 10〜15円 | 約15分の1 |
| 銀次郎 | 200円 | 基準 |
銀次郎の200円は、その10倍以上。
「生活力がない」という離婚理由は、完全に克服したと言えます。
会社を興した銀次郎の成長

銀次郎が会社を興したという事実。
これは単なる「お金を稼げるようになった」という話ではありません。
明治時代に起業するというのは、相当な覚悟と能力が必要でした。
銀次郎は、トキと別れた後、自分の甘さを克服し、事業家として成功したんですね。
35年間教師をやってきて、こういう「別れた後に成長した元カレ」というパターンは、実は案外よく見ました。
失恋がバネになるんですかね。
司之介の指摘「籍を抜いていない」問題
司之介が大切なことを言いました。
「銀次郎の籍を抜いていないので、銀次郎はまだ松野家の人間のまま」
これはこれで、大変です。
ヘブン先生と結婚するためには、籍を抜かなければなりません。
明治5年(1872年)に壬申戸籍が制定されており、ドラマの舞台となる明治20年代後半にはすでに戸籍制度が確立していました。
つまり、銀次郎とトキが正式に離婚届を提出していなければ、法律上は夫婦のまま。
これは復縁の可能性を示唆する重要な根拠ですね。
ヘブン先生とトキの関係-揺れる心
ヘブン亭での「ツレアイ」告白
旅館に宿泊する銀次郎は、ヘブン亭を探していました。
一方、ヘブン亭ではトキが明日の休みに備えて準備万端。
「今日も楽しかったですね」とおトキ。
「ミー・トー(Me too)」と答えるヘブン先生。
おトキが、知り合いではなく、「前の夫に会う」ことを告げます。
ヘブン先生、「シリアイ、ナイ」と答える。
「ツレアイでした」とおトキ。
この会話、絶妙ですよね。
「知り合い」と「連れ合い(配偶者)」の違いを、ヘブン先生の日本語理解度に合わせて伝える場面。
トキちゃんの誠実さが表れています。(ふじきみつ彦さんの遊び心が、かな。)
先生も「明日、楽しんできてごしなさい」と言います。
さらに、「イライザさん来るんですよね」とスバッと切り込む。
この後は、二人でごにょごにょ。
「では、あさってに」と神妙な顔のヘブン先生。
トキちゃんとしては、「行くな」と言ってほしいのかも。
👉関連記事:ヘブンがトキにクビ宣告した理由とは?ばけばけ第36話で描かれた気まずさの心理を元教師が徹底分析
対岸から見つめるトキの視線

金曜日の、帰り道、今にもため息が出そうな顔つきで、外からヘブン先生の執筆をのぞくトキ。
ヘブン先生の後ろ姿を眺めています…。
家に向かう途中で、おナミと会います。
とっくりとお猪口を持ったまま、おトキに駆け寄る。
「私が銀次郎さんをもらっちゃうよ」と宣言するナミ。
(うざい!、トキちゃん心の声が漏れてました。)
そして、土曜日。
出かける前に、こちらは本物のため息をつくヘブン先生。
くしで髪をとかして、出かけるヘブン先生。
対岸から、ヘブンの様子を心配そうにうかがうおトキ。
こりゃ、重症だ。
教師時代、こういう「言葉にしない想い」を抱える生徒をたくさん見てきました。
トキちゃんの心は、もうヘブン先生に傾いているのかもしれません。
手紙読む 対岸遠く 後ろ姿
👉関連記事:トキの蚊帳がヘブンの心を動かした理由|ばけばけ38話を元教師が分析
イライザ来日は史実か創作か

イライザさん、松江にようこそ。
ハンドシェイクではなく、ハグ。
まわりにいた人たち、よく騒がないなと思いました。
史実的には、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)に関係する女性が日本に来たことはあるのでしょうか。
調べてみると、イライザのモデルとされるエリザベス・ビスランドは、ハーンのアメリカ時代の新聞社の元同僚記者で、生涯手紙でのやり取りを続けました。

でも、実際に日本に来たことはありません。
つまり、イライザの来日はドラマの創作。
この創作が、トキとヘブン先生の関係にどう影響するのか、非常に気になりますね。
👉関連記事:シャーロット・ケイト・フォックスのイライザ役評価!
銀次郎・トキ・ヘブン先生の三角関係
おナミの「銀次郎さんをもらう」宣言

おナミの「私が銀次郎さんをもらう」宣言。
これは新たな四角関係の始まりか?
それとも、銀次郎の逃げ道(救済策)として機能するのか?
個人的には、おナミの気持ちは本気だと思うんですよ。
でも、銀次郎の心はトキ一筋。
この構図、教師時代に何度も見た気がします。
【表:ばけばけ第62話の人間関係図】
| 人物 | 想いの矢印 | 現在の立場 |
|---|---|---|
| 銀次郎 | → トキ | 復縁を申し出た元夫 |
| トキ | 銀次郎 ⇄ ヘブン先生 | 揺れている |
| ヘブン先生 | → トキ | 雇い主だが想いあり |
| イライザ | → ヘブン先生 | 元同僚・来日 |
| おナミ | → 銀次郎 | 本気で好き |
史実のラフカディオ・ハーンとの比較
史実では、ラフカディオ・ハーンは1890年8月30日に松江に赴任し、443日間(約1年3ヶ月)滞在ています。
その間の1891年2月にセツと出会い、同年6月からともに暮らし始めます。
正式な結婚(入籍)は1896年2月。
ハーンがセツの戸籍に入る形で行われ、日本人「小泉八雲」となったのです。
なおじ的・復縁実現の可能性予想
銀次郎の復縁、実現どおりならうまくいかない…。
でも、復縁の条件は整っています。
- 経済力:月給200円(十分すぎる)
- 籍:まだ抜いていない(法的には夫婦)
- 誠意:深々と頭を下げる姿勢
最大の障害はトキの心。
銀次郎の手紙を見つめた時のトキ。
どうなる、どうなる。
教師として35年、若者の恋愛を見てきた経験から言うと、「過去の人」と「今の人」の間で揺れる場合、最終的には「今の人」を選ぶケースが多い。
特に、トキのように「新しい自分」を見つけた女性は、過去には戻りにくいんですよね。
この話、妻には内緒。
絶対突っ込まれるやつ。
第62話で気になった時代考証

立ったまま話すトキの違和感
ちょっと、話をずらします。
62話を観ていて、時代考証に違和感を感じたんです。
おトキは、ヘブン先生に大切な話をしているのに立ったまま会話しています。
物語の都合上、こうしたのでしょうが、これはまずないでしょう。
江戸生まれ、ましてや武士の娘として格式高い教育を受けたトキは、立ったまま雇い主のヘブン先生に話すことはまずないはず。
現代版の明治時代ドラマ、ということでしょうかね。
教師時代、礼儀作法について厳しく指導していた身としては、ちょっと気になりました。
👉関連記事:時代劇の時代考証と見方ポイント|べらぼうと豊臣兄弟で学ぶ
壬申戸籍制度の描写は正確
番組を観ていて、妻に「このころ、戸籍ってあったの?」と聞かれました。
結論、「あります」
明治期の最初の戸籍、明治5年(1872年)の壬申戸籍制度について、ドラマの描写は概ね正確です。
- 婚姻には戸籍登録が必須
- 離婚には届出が必要
- 届出がなければ、法的には夫婦のまま
司之介の「籍を抜いていない」という指摘は、時代背景に即した正しい描写だと評価できます。
👉関連記事:壬申戸籍はなぜ閲覧禁止?差別問題の歴史を解説
第62話の見どころと今後の展開
銀次郎の復縁提案がもたらす波紋
銀次郎の復縁提案は、松野家全体に波紋を広げました。
- 勘右衛門じいさまの「半分本気の木刀」
- フミとサワの驚き
- そして、トキの揺れる心
この波紋が、次回以降どう広がるのか、目が離せません。
トキの答えはいつ出る?
銀次郎の手紙を見つめるトキの表情。
この表情が、すべてを物語っていますよね。
第63話以降の注目ポイント:
- トキは銀次郎の復縁提案にどう答えるのか?
- イライザとヘブン先生の関係は?
- おナミの「銀次郎をもらう」宣言の行方は?
- 籍問題はいつ、どう解決されるのか?
Q&Aで振り返る第62話
Q1:銀次郎の月給200円は、当時どれくらいすごかったのですか?
A:小学校教員や巡査の月給が8〜12円程度だった時代に、銀次郎の200円は約20倍。現代価値で月給400万〜700万円相当の高額所得者でした。
Q2:「籍を抜いていない」とはどういう意味ですか?
A:明治5年の壬申戸籍制度では、離婚には正式な届出が必要でした。銀次郎とトキが届出をしていなければ、法律上はまだ夫婦のままということです。
Q3:イライザは実在の人物ですか?
A:モデルはエリザベス・ビスランドというハーンの元同僚記者ですが、実際に日本に来たことはありません。ドラマの創作です。
Q4:トキは銀次郎とヘブン先生、どちらを選ぶと思いますか?
A:史実ではハーンはセツと結婚しており、トキの心もヘブン先生に傾いているように見えます。元教師の経験から言えば、「新しい自分」を見つけた女性は過去には戻りにくいです。
Q5:おナミの「銀次郎をもらう」宣言は本気ですか?
A:おナミの気持ちは本気だと感じます。ただし、銀次郎の心はトキ一筋。おナミの想いがどう展開するかは、今後の見どころの一つです。