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ばけばけ第57話ヘブンの涙の理由とカメラワークの妙|怪談が縮める二人の距離を元教師が徹底分析

こんにちは、なおじです。

35年間も教師をやってきたのに、**「ばけばけ第57話」**のように授業中に怪談を語る技術は身につきませんでした。

生徒たちを惹きつけるには、やっぱりばけばけ第57話の怪談シーンのようなプレゼン力が必要なんですよね。

今朝のばけばけ第57話を見て、「部屋を暗くしてろうそくに火をともす」おトキちゃんの演出に脱帽しました。

大雄寺での「水飴を買う女」、ヘブン亭での「鳥取の布団」。

わずか2場面で視聴者を物語世界に引き込んだ今回は、演出の教科書のような回でしたね。

大雄寺 会談を話す和尚

この記事でわかること

  • 大雄寺で語られた「水飴を買う女」がヘブンの涙を誘った理由
  • ふすま越しのカメラワークが象徴するおトキとヘブンの心の距離
  • おトキが敷居をまたぐ瞬間に込められた演出の意味
  • ろうそく越しに語られた「鳥取の布団」の怪談の演出効果
  • わずか2場面で構成された第57話の制作意図と濃密さ
  • 怪談が二人の関係を縮める触媒となった心理的背景
  • 元教師から見た「場の演出」が持つ教育的価値
目次

ヘブンが涙した「水飴を買う女」の怪談

大雄寺住職

大雄寺住職が語る松平直政公の時代の怪談

大雄寺でお祓いを受けたヘブンとおトキ。

住職(伊武雅刀)が語り始めたのは、**松平直政公の頃のお話「水飴を買う女」**でした。

夜更けに飴屋に通う白い着物の女、墓の下から聞こえる赤ん坊の泣き声。

そして母親の骸と水飴を手にした赤ん坊――この子育て幽霊の怪談は、大雄寺に実際に伝わる話なんですね。

ヘブンの涙が語る母への想い

話を聞き終えたヘブンは、突然泣き出しましたね。

幼いころに母親と別れたラフカディオ・ハーン(小泉八雲)。

死してなお子を守ろうとする母の姿に、ヘブンは自分の境遇を重ねたんでしょうね。

なおじは教師時代、生徒たちに「物語は個人の体験と結びついたとき、最も深く心に刻まれる」と伝えてきました。

まさにその瞬間を目撃した気がします。

👉関連記事:ばけばけ第24話ネタバレ感想考察|ヘブンが錦織を避けた理由

ふすま越しのカメラワークが語る二人の距離

部屋を隔てるふすまという心理的な壁

ふすまを挟む二人 心の距離

ヘブン亭に戻り、おトキちゃんは「Heaven先生、怪談にご興味あるんですか?」と問いかけます。

この時のカメラワークが絶妙でした。

「私、怪談知っております」とヘブン先生に告げるおトキちゃん。

カメラは真横から二人を捉え、部屋と部屋を隔てるふすまが、まるで二人の心の距離を表すかのように画面を分断していたんです。

👉関連記事:ヘブン松江去る宣言とトキの揺れ|ばけばけ51話

敷居をまたぐ瞬間の象徴的な意味

敷居をまたぐ瞬間

ヘブン先生が「こっちこっち」と自分の部屋に入るように招くと、おトキは敷居をまたぎましたよね。

敷居をまたぐという行為は、物理的な距離だけでなく、心理的な壁を越えたという象徴

なおじは中学校で演劇部の指導をしたこともありますが、舞台では「空間の使い方」が人物関係を雄弁に語るんですよね。

ふすまという隔たりから、同じ部屋へ。

この二人の距離の縮まりを象徴する演出は、言葉以上に多くを語っていましたよ。

みごとだったなぁ。

👉関連記事:一橋治済の雷死は史実?べらぼう48話最終回を史実検証

ろうそく越しの怪談語りと演出の濃密さ

演出 ろうそく 暗い部屋 語り部のトキ

部屋を暗くして場を整える演出

おトキちゃんは、怪談を話すための場の演出を整えます。

部屋を暗くしてろうそくに火をともす――この演出が素晴らしかったですね。

ヘブン先生はトキが持ってきた怪談のネタ本を優しく取り上げ、傍らに置いてしまいます。

おトキちゃんは何も見ず、自分の言葉でろうそく越しに「鳥取の布団」という怪談を話し出します。

揺れる炎の光に照らされたおトキの顔。

その表情になおじも「なんだかゾゾゾっと」しました。

👉関連記事:トキの蚊帳がヘブンの心を動かした理由|ばけばけ38話

2場面のみの構成が生む濃密さ

本日の第57話は、大雄寺とヘブン亭での怪談話という2場面のみの設定。

いつもより一つの場面が濃厚で、制作者側の熱の入れ方が伝わってきましたね。

なおじは教師時代、授業で「量より質」を重視してきました。(そのつもり…。)

今回のばけばけはまさにその好例です。

場面を絞ることで、演出の細部に注力し、視聴者を物語世界に引き込む。

この手法は、朝ドラの15分という短い枠を最大限に活用した素晴らしい選択だったと感じてます。

Q&Aで振り返る第57話

Q1:大雄寺の「水飴を買う女」は実在する怪談ですか?

はい、実在します。大雄寺(だいおうじ)は松江市内に実在する寺院で、小泉八雲が特に愛した子育て幽霊の怪談「飴を買う女」が伝わっています。

Q2:なぜヘブンは怪談を聞いて泣いたのですか?

ヘブンは幼少期に母親と別れた経験があり、母の愛を描いた「水飴を買う女」の怪談に自身の境遇を重ねたと考えられます。

Q3:おトキがふすまで隔たれていたシーンの意味は?

ふすまは二人の心の距離を象徴していました。おトキが敷居をまたぎヘブンの部屋に入る瞬間は、心理的な壁を越える象徴として描かれています。

Q4:「鳥取の布団」とはどんな怪談ですか?

小泉八雲が妻のセツから聞いた怪談で、貧しい兄弟が最後のふとんを奪われ、雪の中で凍死するという悲しい物語です。

Q5:なぜ今回は2場面だけの構成だったのですか?

場面を絞ることで、一つ一つの演出に注力し、視聴者を深く物語世界に引き込む意図があったと受け止めています。

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本日の川柳

大雄寺 苔むす墓

飴買う 母の話や 日向ぼこ
水飴の 母語る墓の 苔光る

筆者紹介|なおじ

元社会科教師として公立小・中学校で35年間教壇に立ってきました。

現在は7つのブログでドラマ芸能政治歴史スポーツ学びをテーマに記事を執筆しています。

ドラマ記事では「時代背景」や「心の揺れ」をゆっくり言語化するスタイルを大切にしており、登場人物の心情を教育的視点から読み解くことに力を入れています。

バスケ部顧問として15年、演劇部の指導経験もあるため、演出の細部にも注目しながら、視聴者の皆さんと一緒に物語を味わっていきたいと思っています。

怪談

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