こんにちは、なおじです。
朝ドラ『ばけばけ』第9週「スキップ、ト、ウグイス。」の第43話、見ましたよ。
トキちゃんが錦織とリヨの間で、ウルトラ・スーパー級の板挟みになる回だったんですねぇ〜。
横で一緒に見ていた妻には「また朝から何騒いでるの」と言われましたが。
(違うんだ、今日はトキちゃんが大変なんだ…と心の中で反論しておりました)

この記事でわかること
- トキが錦織とリヨのあいだで板挟みになった理由
- 錦織の「リヨとの約束を忘れろ」発言の重さとトキの「わかりました」の意味
- 鳥の餌づくりとブードゥー人形が映し出すトキの揺れる心
- 祖父の”まともすぎる”恋愛トークと老いらくの未成就の恋
- リヨの祈りと「沈んで、沈むな」に込められた、トキの二重の祈り
ばけばけ第43話トキの板挟みが本格化した朝
第43話は、トキのもとに錦織がわざわざ訪ねてくるところから、本格的な板挟みが動き出すんですねぇ。
錦織は、知事から「リヨがヘブンと恋仲にならないようにしろ」と命じられ、その”実務担当”をトキに頼みに来たわけです。
ところが、トキにはすでに「リヨの恋を応援する」という約束がある。
リヨの気持ちもよくわかるし、錦織の立場も痛いほどわかる。
ここでトキは、リヨと錦織、両方の”正しさ”に挟まれてしまうんですよね。
そして問題の一言、「リヨとの約束は忘れてくれ」。
これに対してトキは、少し間をおいてからの「わかりました」。
この「わかりました」が、なんともトキらしいんですよね。
心の中では「え、それはちょっと…」と反発していそうなのに。
口から出てくるのは、目の前の相手を優先した「はい」。
教師時代にも、本心とは違う「はい」を言ってしまう生徒、何人も見てきました。
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鳥の餌づくりとブードゥー人形が映すトキの迷い

話は変わって、リヨさんが訪ねてくる少し前、トキが鳥の餌づくりをしていた時。
今日はうまくいくかと思いきや、ここでも見事に失敗!
「トキちゃん!」と、テレビに向かってつぶやくなおじ…。
(文におこすと、我ながら『ようけ、しゃべっとる』)
今回なおじが一番気になったのは、その時のブードゥー人形の握りしめ方なんです。
「これ、黒魔術系の人形だよね?」と視聴者はすでに知っているわけで。
おそらくトキもそれをわかっていながら、失敗した時にぎゅっと握りしめている。
これ、どういうつもりなんでしょうか。
無意識のお守りなのか、ちょっとは効力を期待しているのか。
あるいは、自分の黒い感情を人形に押しつけているのか。
即調べました。(教師の性)
ブードゥー人形というのは、本来「誰かを呪う」だけではなく、願いを託すお守り的な側面もあるのだとか…。
「お守りでもあるのか」
だからこそ、トキの手の中でその人形がどう扱われているかは、彼女の心のバランスをそのまま映しているように感じるんですね。
【表題】ばけばけ第43話 トキの板挟みタイムライン
| 時間帯 | 出来事 | トキの心理・行動 |
|---|---|---|
| 朝① | 錦織が訪ねてきて「リヨの恋を阻んでほしい」「リヨとの約束は忘れてくれ」と迫る | その場では「わかりました」と答えるが、心は大きく揺れ始める |
| 朝② | 鳥の餌づくりに挑戦するも失敗してしまう | その手にはブードゥー人形。うまくいかない現実と、人形への頼り方が少し不穏になる |
| 昼① | ヘブンに会えなかったリヨが、代わりにトキを誘い八重垣神社の恋占いに出かける | 「応援すると約束したリヨ」と「恋を阻んでほしいと言う錦織」の両方を思い出し、板挟み感が増していく |
| 昼② | 八重垣神社でリヨの恋占いに付き合い、トキがブードゥー人形を手に「沈め!沈むな!」と両方の願掛けを交互に行う | 人形を握りしめ、リヨと錦織、二人のために矛盾だらけの祈りを捧げることになってしまう |
こうして並べてみると、トキの一日は「板挟みの一日」になりそう…。
少なくとも朝に受けた頼みごとが、昼の神社の場面までずっと尾を引いているんですよね。
リヨの祈りと「沈んで、沈むな」に込められた二重の願い

いやぁ〜、なおじ的に一番グッときたのは、リヨのお祈りの場面でした。
口から出ている祈りの言葉と、心の中にある本音が、まるで別ものなんです。
表向きは「幸せになれますように」といった、きれいな言葉。
でも、その奥には「トヨの恋が叶わないでほしい」という切実な願いが渦巻いている。
このズレ、このてんやわんやがトキちゃんの「建前と本音」。
そしてそこでも、トキは例のブードゥー人形を握りしめている。
しかし今回は、ある意味「正しい使い方」かも…。
口とは裏腹に、心の中で『リヨの願い、叶うな!叶うな』と、人形に願ってた。
でも、トキの祈りは二重構造。
リヨのためには、口にする言葉どおり「沈んで、沈んで」と祈り
錦織のためには「沈むな、沈むな」と心で祈る…。
なおじも、画面の前でトキと一緒に心の中でつぶやきました。
「沈んで、沈むな」と。
沈んでほしいのか、沈んでほしくないのか。
この矛盾こそが、板挟みになった人間の本音なのかも。
祖父の”まともすぎる”恋愛トークと老いらくの未成就の恋

話は変わります。
「あれあれ」、と思わず前のめりになったのが、おじいさまの恋愛トーク。
いつもはどこか浮世離れしているのに、急にものすごくまともなことを言い出したんです。
(いや、どうしたおじいさま、今日は切れ味が違うぞ…と)
自分が結婚していないこと、若い頃の恋がどこかで引っかかっているような言い方。
そこからにじむのは、「老いらくの恋」ならぬ「老いらくの未成就の恋」。
明治の男が自分の感情を多く語らない時代背景を考えると。
あの少ない言葉の中に、どれだけの後悔と、どれだけの優しさと、どれだけの恋心が詰まっているのか。
そう思うと、なおじの胸にもズシンと来るものがありました。
教師時代(若いころ)にも、定年近い先生がふとした瞬間に「若い頃、こういう人がいてね」と語ることがあったんです。
生徒の前ではほとんど話さないのに、職員室の隅でだけこぼれる本音。
今回のおじいさまには、あの時の先輩たちの背中が重なった気がします。