青木理氏による「劣等民族」という発言が広範囲にわたって波紋を呼んでいます。本ブログでは、その発言の背景にある文脈やメディアの反応、さらには青木氏のキャリアと思想を深く掘り下げながら、この問題が我々社会において持つ重大な意味について考察していきます。
青木理氏の発言の背景
対談内容の概要
2024年9月12日、青木理氏はジャーナリストの津田大介氏との対談で、「(自民党支持者は)『劣等民族』。」との発言をしました。
この言葉は、自民党支持者の心理を揶揄するものであり、瞬く間に多くのメディアやSNSで注目を集め、強い波紋を呼ぶこととなりました。
この発言が、なぜこれほどまでに衝撃を与えたのか、周囲の反応を通じてじっくり考える必要があります。
「劣等民族」発言の真意
青木氏はその後、発言を撤回し、「あの発言をした経緯や背景、言葉に込めた意味など、いろいろある」としながらも、
「考えていることを言葉にしてしまったこと自体は悪かった。」
しかし、
「心の中では『劣等民族』と思っているよ。」
と、改めて主張しているとれる発言をしました。
あの発言をした経緯とか背景とか、言葉に込めた意味とか、それはいろいろあることはあるんだけど、エスニシティという、ある意味あいまいというか、微妙な意味とか、敏感な意味を含む単語を持ち出して、それに優劣を付けるという発言は僕自身、元来決して好まない、そういうことは許されないと思ってきたし、例え軽口とはいえ、ああいったことを言ったというのは、それ自体は極めて極めて不適切だったと思っていますので、ボクもそれについては謝罪して、撤回をさせていただきます。」
何言っとるんや?
わかりずらい。
「それ自体」つまり、「それ」とは『考えていることを言葉にしてしまったこと』は、悪かった。
だが、『心の中では、劣等民族と思っているよ。』と言っているのか?
「言葉に出しちまったことは、謝るが」→「心の中で思っていることは、謝らねえよ」ということだろうな。
この発言からは、彼が「劣等民族」という称呼を口にしたことについては反省しているものの、心の奥底ではその考えを持ち続けているという複雑な感情が垣間見えます。
青木氏は、発言の撤回とは裏腹に、実際には「口に出してしまったことは悪かったが、自民党を支持する人々は劣等民族と思っている」というニュアンスを強く反映させているように感じます。
つまり、彼の謝罪の意図は、心の奥で抱いている思想を否定するものではなく、単に発言自体の不適切さを認めるものであり、思想そのものについてではないということです。
よって、青木氏の発言の真意が波紋を呼ぶ結果となっています。
メディアの反応と青木氏の謝罪
他メディアからの取材拒否
他メディアから、青木氏の謝罪の真意について、取材依頼がありました。
しかし、青木氏は他のメディアからの取材を拒否しています。
この姿勢はどうなのでしょうか。
普段青木氏は、ジャーナリストとして「説明責任」を強調していいます。
青木氏の主張と、実際の行動には矛盾が見受けられます。
彼自身の発言に対する責任感が薄いとの印象を与え、青木氏個人のみならずメディア全体に対する信頼性を損なう要因となるかもしれません。
TBS社長の発言とメディア責任
TBS社長は青木氏の発言を「個人の発言」として、自社番組への出演に関して問題視しないかの姿勢を見せました。
しかし、このような対応がメディア全体に与える影響は深刻です。この姿勢は視聴者や読者のメディアに対する信頼性にも泥を塗る恐れがあります。
自粛と謝罪の決定
青木氏は9月27日に、『地上波テレビ番組への出演を自粛する意向』を表明しました。
この決定が本当に彼の自主的な判断によるものなのか、それともTBSなど既存メディアからの圧力によるものなのかについては、さまざまな憶測が広がっています。この問題が解決されなければ、引き続きメディアへの信頼が低下するリスクがあります
今後の課題
青木氏の自粛が彼の意志によるものなのか、メディアの圧力によるものか、今後の報道姿勢にどのように影響を及ぼすのかは注意深く見守る必要があります。この問題に対する適切な議論が行われなければ、メディアへの信頼は回復しにくくなるでしょう。
津田大介氏のコメント
言葉の重みと文脈の重要性
津田氏もこの発言を不適切と認めており、「日本人という相対を指して、民族というキーワードで否定的に相対的に語ったことは不適切だった」と述べ謝罪しています。これもまた、言葉が持つ影響力と文脈の重要性を再確認する機会となっています。
青木理氏の経歴と思想
青木理氏は1966年、長野県小諸市で生まれ、長野県野沢北高校を卒業した後、慶應義塾大学文学部で学びました。彼は1990年に共同通信社に入社し、大阪社会部から成田支局、そして東京社会部へと進みます。東京では警視庁の公安部門を担当し、オウム真理教事件や阪神大震災といった重大な事件に携わり、その経験を通じて事件報道の重要性と難しさを理解しました。
1997年から1998年まで韓国の延世大学校で韓国語を学び、その後、外信部勤務を経て2002年から2006年までソウル特派員を務めました。2006年には共同通信社を退社し、韓国のインターネット新聞の日本版『オーマイニュース』の創刊に参加。副編集長として市民参加型の報道を実現するための立場から、日本のメディア環境を変えようと奮闘しました。
2011年にはテレビ朝日の「モーニングバード」に出演し、その後2015年から「羽鳥慎一モーニングショー」でコメンテーターとしての顔を持つようになりました。
青木氏は、安倍晋三氏を厳しく批判し、彼を「岸信介の劣化版」と評しています。これは、彼が政治に対して持つ強い意見や、特定の政治家に対する感情的な見解を象徴していると言えます。また、夫婦別姓制度に賛成の立場を取り、小泉進次郎氏と同じく「選択的夫婦別姓を認めないのは、多様な考えや価値観を否定するものであり、成熟した民主主義国家の姿とは言えない」と主張しています。
さらに、朝日新聞の慰安婦・吉田調査の誤報について、青木氏は「メディアに誤報はつきものだ」と擁護し、これに対する世論からの批判を認めつつも、批判の仕方に問題があるとの立場を示しました。「ヘイトスピーチが堂々と街頭に出ている状態を考えると、歴史は大きな転換点に来ている」とも語っており、社会の変化に敏感な視点を持っています。
結論
青木理氏の発言は単なる個人の意見に留まらず、日本社会における深い問題を呼び起こすものでした。この発言を契機に、メディアと政治の関係性についても新たに考え直す必要が見えました。
青木氏の経験と思想を考慮し、彼の発言の意味を考えると、日本社会が抱える問題が見えてきます。
日本人は、劣等民族ではありません。