
“嵩のために医者になるのをやめたのか”――朝ドラ名物「立ち聞き」シーンで明らかになった弟・千尋の秘められた犠牲が、数学に苦戦する嵩とのぶの青春模様に予想外の深みをもたらした『あんぱん』第16話。
今日2025年4月21日放送の朝ドラ「あんぱん」第16話では、主人公たちが「数学」という共通の苦手科目に四苦八苦する姿が描かれました。
実は私も高校時代は数Ⅲで赤点スレスレ。
あなたにも苦手科目はありませんでしたか?
国民的アニメ「アンパンマン」の生みの親・やなせたかし氏(柳井嵩)と妻・暢さん(朝田のぶ)をモデルにしたこのドラマ、ふたりの若き日の苦悩と成長がリアルに描かれていて、思わず当時の自分を重ねてしまいました。
数字が並ぶだけで頭がフリーズする感覚、痛いほど分かります(笑)!
「あんぱん」第16話で描かれる若者たちの奮闘

今回の第16話では、のぶ(今田美桜)の通信簿が大問題に!
「乙」と「丙」が半々という成績を前に、のぶは女子師範学校合格を目指して猛勉強を始める決意をします。
当時の評価基準では「乙」は良好な成績、「丙」は標準的な成績を意味し、最高評価の「甲」には至らないものの、平均よりは少し上の成績だったようです。
一方、嵩(北村匠海)はもっと深刻な状況に。
数学で最低評価の「丁」をとってしまい、伯母・千代子(戸田菜穂)に心配されるシーンも。
当時の評価基準では「丁」は不十分な成績を意味し、現代の評価でいえば「1〜2」に相当する最低ランクです。
医者になることを期待されている嵩にとって、これは非常に厳しい現実でしたね。
そんな中、意外な展開が!
羽多子(江口のりこ)が嵩にのぶの家庭教師を頼むシーンは、SNSでも「苦手な人が教えるって無理じゃない?」と話題になっていました。
特に数学で「丁」という最低評価を受けている嵩が教師役というのは、なんとも皮肉な状況です。
そして、この話の核心とも言える場面が、嵩の立ち聞きシーン。
苦手な数学に悩んでいた嵩が廊下で偶然聞いてしまった寛(竹野内豊)と千尋(中沢元紀)の会話で、弟・千尋の秘密が明らかになります。
「嵩のために医者になることをやめたのではないか」という寛の問いかけは、家族の複雑な思いを象徴していて、私は思わず息を呑みました。
数学という壁に立ち向かう若者たち

のぶと嵩の数学への向き合い方が、この回の見どころのひとつ。
二人で机に向かい、問題を見つめる場面では、「2人でどれだけにらめっこしても、問題が解けない」という絶望感がリアルに伝わってきます。
これ、わかりすぎるよ〜!(笑)
特に嵩の数学への苦手意識は、「丁」という最低評価からも明らかです。
史実でも、やなせたかしさんは数学や英語が苦手だったとされており、ドラマはこの点を忠実に描いています。
番組公式サイトのインタビューによれば、北村匠海さん自身も「数学は得意ではなかった」と語っており、その経験を演技に活かしているそうです。
説得力ありますよね!
特に印象的だったのが、問題集のページをめくる度に嵩の表情が曇っていくカットの連続。
教育学者の佐藤学氏は著書『学びの快楽』で「苦手意識の克服には、その壁と向き合う勇気が必要」と指摘していますが、まさにこの場面はその「向き合う」瞬間を切り取っています。
嵩にとっては、数学の「丁」評価は単なる学業不振を超えた問題です。
医者になることを期待される中での最低評価は、彼のアイデンティティや将来の選択にも大きく影響してきます。

夢を追いかけるのぶの決意と挑戦
のぶの「女子師範学校に行きたい」という夢。
これが単なる「勉強ができるようになりたい」という願望ではなく、明確な目標として設定されているのが素晴らしいポイントですよね。
女子師範学校とは、明治時代に設立された女性教員を養成するための学校で、当時の女性にとっては数少ない高等教育の機会でした。
歴史学者の小野沢あかね氏の研究によれば、1930年代(1933年の統計)の女子高等教育進学率はわずか5.8%程度。
のぶの挑戦がいかに大きなものかが分かります。
やなせたかし氏の実際の妻・暢さんも、当時としては先進的な教育を受けた女性だったそうです。
ドラマの中ののぶが直面する困難は、実際の暢さんの経験に基づいている可能性も!
私はこの「夢に向かって一歩踏み出す勇気」に、何度も胸を打たれました。
立ち聞きシーンから見える家族の複雑な思い

今回最も衝撃的だったのは、嵩が偶然聞いてしまった会話。
寛が千尋に「おまえ、ひょっとして、嵩のために医者になるがをやめたがやないか」と問いかけるシーン。
この「立ち聞き」、朝ドラでは定番の演出ですが、今回は特に効果的でした!
弟・千尋の「良い子」としての役割が、実は重い犠牲の上に成り立っていたかもしれないという示唆は、家族ドラマとしての奥行きを一気に深めています。
私もこのシーンでは「え、そうだったの!?」と思わず声を上げてしまいました。
嵩の数学の「丁」評価と、千尋が嵩のために医者の道を諦めたかもしれないという事実が重なると、嵩の心理的葛藤はさらに複雑になります。
自分は数学で最低評価なのに、弟は自分のために夢を諦めた?
この認識は嵩にとって大きな精神的負担になるはず。
また、おばさんと母・登美子の「バチバチ」した関係性も、この家庭の複雑さを象徴しています。
ファミリーセラピーの観点からは、こうした家族関係の緊張感が子どもたちの人格形成に与える影響は小さくないんだとか・・・。
嵩と千尋の関係性が今後どう変化していくのか、目が離せません!
教えることで見えてくる新たな絆

嵩がのぶに勉強を教えることになった経緯は、一見単純ですが実は深い意味を持っているのだと思います。
羽多子に頼まれて渋々引き受けるものの、自分も数学で「丁」という最低評価を受けている嵩が人に教えるという矛盾。
これが絶妙な展開を生み出すのではないでしょうか。
教育心理学では「教えることで学ぶ」効果(プロテジェ効果)が知られていますが、今回の展開はまさにそれを体現しているように思えます。
私自身も学生時代、友達に教えることで理解が深まった経験があり、思わず頷いてしまいました。

教師時代、子供同士で学びアイ(合い・愛)・教えアイの場を設定してました。
この「プロテジェ効果」を取り入れようと思っていました。
さらに、千尋が二人の勉強を助ける場面では、嵩の「情けない」という感情が繊細に描かれています。
弟に教えてもらう立場になった兄の複雑な心境、これぞドラマの醍醐味ですよね!
恋の行方を暗示する釜次の一言
朝田釜次(吉田鋼太郎)が原豪(細田佳央太)に「のぶと石屋やらんか」と提案するシーン。
これに対する蘭子(河合優実)の反応がかわいかったです!
「豪ちゃん、墓石みたいに固まってしもうたやんか」という蘭子のセリフ。
この「固まる」という表現が、彼女の恋心をさりげなく表現していて絶妙でした。
関西弁特有の表現の妙ですね。
SNS上では「蘭子の気持ちが丸見え」「三角関係の予感」といったコメントが多数見られ、視聴者も恋愛要素に敏感に反応しています。
個人的には、蘭子の控えめな表情変化が素晴らしく、河合優実さんの演技力に感動しました!
アンパンマン創作につながる価値観の萌芽
「あんぱん」のタイトルが示す通り、この物語は最終的に「アンパンマン」の誕生につながっていきます。
やなせたかし氏が生み出した「アンパンマン」には「弱い者を助ける」「逆転しない正義」という思想が込められています。
第16話の数学に苦戦する嵩の姿、特に「丁」という最低評価に直面する姿は、「弱さ」と向き合うという点で、後の創作活動と無関係ではないでしょう。
やなせ氏自身のインタビューでも「自分の弱さを知ることで、人の弱さに共感できる」と語っています(「アンパンマンの遺書」講談社)。
私は嵩が数学という「壁」に直面し、時には逃げ出したくなる気持ちと向き合う姿に、後のアンパンマン創作の原点を垣間見た気がしました。
うーん、深いなぁ。
成長の瞬間に込められたメッセージ
今回の第16話は、「苦手に向き合う勇気」「夢に向かって一歩踏み出す決意」「相手を思いやる気持ち」など、多くのメッセージが込められていました。
特に印象的だったのは、完璧でなくていい、弱さを認めることも大切、という視点です。
嵩の数学の「丁」評価は、単なる成績の話ではなく、自分の弱さと向き合うきっかけになりました。
現代の私たちも、苦手なことから逃げずに立ち向かうことの大切さは変わりません。
明日は、嵩とのぶの勉強会がどう進展するのか、千尋の秘密はさらに明らかになるのか、見逃せません!
私も毎朝、録画チェックが日課になっています(笑)。
みなさんは第16話のどんなシーンが心に残りましたか?
嵩の「丁」評価を聞いて、みなさんも自分の学生時代を思い出しましたか?
ぜひコメント欄で教えてください!








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