フジテレビの月9ドラマ『119エマージェンシーコール』は、横浜市消防局の通信指令センターを舞台に、命を救う「声」の重要性を描いた話題作です。
主演の清野菜名さんが演じる主人公たちが、通報者の感情的な混乱に寄り添いながら冷静に対応し、命をつなぐ姿が感動的に描かれています。
しかし、現実の指令管制員の仕事はさらに厳しいものです。
例えば、大規模災害時には数百件もの通報が一度に入り、その中から優先順位をつけて迅速に対応する必要があります。
また、非緊急通報やいたずら電話も日常的に発生し、それらへの対応も重要な業務の一部です。
ドラマでは緊迫感やヒューマンドラマが強調されていますが、現実では冷静さと迅速さが最優先されます。
さらに、実際の通信指令センターではAIや高性能地図情報システムなど最新技術が導入されており、ドラマでは描かれていない高度な業務環境が存在します。
また、このドラマは横浜市消防局が全面協力して制作されましたが、フジテレビで発生した不祥事を受け、市民感情への配慮から広報協力が取り消されました。
その結果、第4話以降ではエンドロールからクレジットが削除され、PRポスターも配布中止となりました。
自治体とメディア連携には職業理解促進や地域イメージ向上などのメリットがありますが、一方で今回のようにリスク管理が必要であることも浮き彫りになりました。
『119エマージェンシーコール』は職業理解促進に大きく貢献する一方で、現実とのギャップや自治体との連携課題について考えるきっかけを提供しています。
視聴者としては、「リアル」と「ドラマ」の違いを理解しながら楽しむことが重要です。
このドラマはリアルな現場への興味を引き出すだけでなく、命を救う仕事の尊さを再認識させてくれる作品です。
現実の指令管制員たちの奮闘にも思いを馳せてみてはいかがでしょうか?