シギントとは、「メタデータ分析」「通信状況分析」「暗号解析」を結ぶ情報収集の鍵です。
シギントとは何か
シギント(SIGINT: Signals Intelligence)は、通信情報に基づく情報収集活動の一形態であり、特に国家的な安全保障やインテリジェンスの分野において不可欠な要素です。
シギントは主に、通信網から得られる情報を分析することで重要な洞察を提供します。
その方法は大きく分けて、通信の中身を解読する暗号解読(クリプト・アナリシス)と、通信の外形的な状況を分析する通信状況分析(トラフィック・アナリシス)に分かれます。
メタデータ分析の重要性
現代におけるシギントの進化は特にメタデータ分析に注目されています。
メタデータとは、通信内容以外のデータ全てを指し、具体的には、メールアドレスや通信時刻、地図検索の履歴などです。
このメタデータを分析することで、個人や組織の行動パターンを把握したり、潜在的な脅威を予測したりすることが可能になります。
現在では、大手企業がこの技術を用いて私たちの興味を引く商品を提供するなど、広く利用されています。
何気なく、毎日使っている携帯。
ここから多くの情報が流れているわけです。
現時点では、大手の企業がこのデータを活用し、その人に会った広告を自動的に送ることに役立てたりしています。
しかし、怖いのは、このデータを日本に敵対する国が利用した場合。
怖いことになりそうですね。
今、もうやってるんじゃない?!
通信状況分析の手法
通信状況分析においては、通信内容自体を解読することはなく、外形的な通信の状況を詳細に解析します。
これによって、どこからどこに、何時何分に通信があったかを把握することができます。
この分析手法は、航空機や艦船の動向、敵軍の組織編成を理解するために役立ち、歴史的には日本の帝国海軍が行った大演習の情報を解析する際にも用いられました。
闘いに勝つためには、情報をいかに上手に手に入れ、その情報をいかに生かすかにかかっているのですね。
これは、良い悪いを越えて、「どの国もこういうことをやっているのだ」という認識を持っておくことが大切なようです。
「通信内容自体を解読することはなく」とありますが、通話の内容そのものも聞いて、分析してるでしょうね。
だから、知人からインターネットで「住所おくって」とか言われると、私はちょっと二の足を踏んでしまいます。
ごめん、ラインでは住所送らない。
暗号解読の役割
最後に、暗号解読はシギントにおけるもう一つの重要な手法です。
これは、通信内容を解読し、理解するプロセスを指します。
歴史的には、暗号解読により、多くの国家間の情勢が明らかにされ、戦争の結末さえも左右した事例があります。
したがって、暗号解読はシギントの一部分でしかありませんが、その重要性は極めて高いと言えます。
暗号すら解読されてしまう。
パスワードすら解読されてしまいそうで、怖いです。
まとめ
シギントは、メタデータ分析、通信状況分析、暗号解読という三つの手法が互いに関連し合いながら進化してきた情報収集の体系です。いわば情報分析の鍵にあたります。
これらの手法を組み合わせることで、より深い洞察を得ることが可能になり、国家の安全保障や情報戦において競争力を向上させる鍵となります。
日本も、このシギントの進化を理解し、より効果的な情報収集能力を育む必要があるでしょう。
これからの時代、デジタル化が進む中で、シギントの活用はますます重要になると予測されます。
問題なのは、現時点で日本はこのシギント能力が不十分という江崎道朗先生達の指摘があることです。
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